東部軍管区及び東部統合戦略コマンド

 北方領土周辺で行われる軍事訓練と続く領空侵犯

現在、ロシア軍はウクライナ東部とベラルーシ国内に軍勢を集中させている状況であり、仮にNATO軍、及びアメリカ軍が交戦状態となった場合、その進行具合によってはウクライナ周辺だけの問題を越えて、世界へ飛び火する可能性がある。

岸防衛大臣の発言からNATOに所属していない我が国がどのような形で関わるかは未定であるが、同盟国であるアメリカが参戦し集団的自衛権の発動が必要となった場合、ウクライナ周辺に留まる戦略範囲ではなく、侵攻している東部軍管区の動きを抑制するという圧迫戦略も検討される可能性がある。

交戦状態となれば、集団的自衛権の発動した日本への攻撃も不可避となる可能性がある。

そうなる前に、日本人として向き合うことになる東部軍管区の戦力について、防衛白書に基づき知識として入れておく必要があると考える。

その概要

以下は東部軍管区の戦力について防衛白書より引用したものであるが、この戦力が近くは北海道への水陸両用作戦部隊の上陸、そして東京への核攻撃も可能な状態であることを、日本は国民は認識しながらウクライナ情勢を見守らなくてはならない。

最悪の事態を招いた場合は、北方領土どころか北海道が日米同盟軍の主戦場となりうる事、アメリカ第7艦隊と海上自衛隊の混合艦隊による日本海沖や太平洋での戦闘もあり得る。

つまり、離島部や日本海・太平洋沿岸部の都市への攻撃も考えの中に入れておく必要もある。

「ロシアと中国の共同艦隊がなぜ先日日本一周を実行したのか」

この辺りを頭に入れて置かなければ、いざ開戦となってしまった場合には自身や家族の命を守ることは難しい。

そして、最低限の物資や薬品の確保も世帯レベルで行っておく事も有事には有効である。

また、邦人救出も困難となり捕虜とされることも想定しておかなければならない。

 https://www.mod.go.jp/j/publication/wp/wp2021/html/n120503000.html#zuhyo01020502　防衛白書より引用

東部軍管区　東部統合戦略コマンド
司令部：ハバロフスク 太平洋艦隊：ウラジオストク

軍管区司令官のもと、地上軍・太平洋艦隊・航空・防空部隊が配備。

核戦力を含む相当規模の戦力が存在、最新の装備が極東方面にも配備される傾向、戦略核部隊の即応態勢を維持。

核戦力

SLBMを搭載した1隻のデルタIII級SSBN・2隻のボレイ級SSBNがオホーツク海を中心とした海域に配備。
2020年までに太平洋艦隊にボレイ級SSBNを4隻配備する計画。
約30機のTu-95長距離爆撃機がウクラインカに配備。

陸上戦力

10個旅団及び2個師団で約8万人。
水陸両用作戦能力を備えた海軍歩兵旅団も。つまり海兵隊による急襲も可能ということだろうか。

地対地ミサイル・システム「イスカンデル」
地対艦ミサイル・システム「バル」及び「バスチオン」
地対空ミサイル・システム「S-400」など新型装備の導入

北方領土
1個師団が国後島と択捉島に駐留。
戦車、装甲車、各種火砲、対空ミサイルなどが配備。
Su-35戦闘機が3機配備
主力戦車「T-72B3」
中型偵察用無人機「オルラン-10」
択捉島及び国後島への地対空ミサイル・システム「S-300V4」

海上戦力

太平洋艦隊がウラジオストクやペトロパブロフスク・カムチャツキーを主要拠点として配備・展開。

主要水上艦艇約20隻、潜水艦約20隻（うち原子力潜水艦約13隻）約22万トンを含む艦艇約260隻。

改良型ステレグシチー級フリゲート「グレミャシチー」
ウダロイ級フリゲート「マルシャル・シャポシニコフ」

航空戦力

航空宇宙軍、海軍を合わせて約320機の作戦機が配備。
既存機種の改修やSu-35戦闘機、Su-34戦闘爆撃機など新型機の導入あり。

活動

太平洋艦隊に配備されている艦艇による各種演習、遠距離航海、原子力潜水艦のパトロールが行われるなど、活動の活発化。

2007年に戦略航空部隊が哨戒活動を再開して以来、長距離爆撃機による飛行が活発化し、空中給油機、A-50早期警戒管制機及びSu-27戦闘機による支援を受けたTu-95爆撃機やTu-160爆撃機の飛行も行われている。